~プロローグ~

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ガサガサ… 『………はぁ、はぁ…』 『大丈夫?麻菜?』 『うん、大丈夫…』 『皆さんはぐれないように…』 私達は今、深い森の中にいる。 麻菜、佐織、有紀に竜紀くん。 そして…私、裕里。 ――そう、半分にはなったが… “あの頃”のメンバー。 そんな私達が目指すのは…――― 『…もうすぐだよ。 頑張ってみんな』 そう言ったのは私。 みんなも辛そうな顔で頷く。 『…まさか、 また屋敷に戻る事になるなんて…』 ぽつりと先頭の竜紀が呟く。 『竜紀くん…』 その呟きが聞こえてしまった私は、ひどい罪悪感に苛(さいな)まれた。 でも今さら引き返す訳にもいかない。 私は自分に気合いを入れて…… 再び前を見て歩き出した。 ―――事の起こりは数日前。 突然届いた手紙によって、私達は今ここにいる。
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