神に選ばれた者たち

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そこには、禍々しい気を纏(マト)い、鋭い眼光で浪士を睨む藤堂の姿があった。 浪士はゴクリと生唾を飲み込む。 寒いわけではないのに、体が勝手に震えだした。 藤堂が発しているもの、それはおびただしいほどの“殺気”。 と、不意に藤堂が一歩踏み出した。 浪士はハッとなり慌てて言う。 「おっ、おいっ!!動くなって言っただろうがっ!!コイツがどうなってもいいのか!?」 そんな声も構わず、藤堂はまた一歩浪士に近づく。 沖田はもう手を出さないつもりだろう、まったく動かずにただ黙って、しかし顔は笑顔のままで、藤堂を見ていた。  
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