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「ィヤァァァ!!」
ガツガツと攻め、こちらが攻める隙を与えない権座。
◆◆◆◆◆◆◆
「やっぱりトラはダメトラよね」
「そうそう。ダメね、今にも負けそうじゃない？」
観客席で女の子が2人話している。
制服を着ているところから高校生だろうか。
片方は長めの黒髪を後ろで一つに結っており、もう片方はやや茶髪気味で後ろで小さく二つに結っている。
「黙ってみてろよ。」
「怜くん…」
「トラがすげぇのはこっからだぜ…」
◆◆◆◆◆◆◆◆
権座の面をよけ、少し間をとる。
構えをやや下段から正眼に構え直し…
「ガァアｱｱｱｱｱｱー!!!!」
会場が一瞬震えたかと思う程の気合い。いや、『咆哮』と言ったほうが合うか。
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