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「なぁ、ゆう」
「どうしたの?」
「あそこに行かないか?」
「うん」
「そこで10年間の出来事を聞かせてくれ」
「分かった」
そして、俺達は2人の秘密の場所へと向かった。
「昔と変わってないね」
「俺がずっと守ってきたから」
「そうなんだ」
「ここは俺とお前だけの場所だから」
「ねぇ、ひろ」
「?」
「僕もひろもお互いが好きだ。だけどね、もう大人にならないと」
「ゆう…」
「いつまでも世界に2人きりじゃダメなんだ。じゃないと、いつか大翔が苦しい思いをするんだよ」
「…………」
「確かに僕等は常にお父さんの人形だった。けど、今回は大翔の思いが初めてお父さんに分かってもらえた。だから、僕はここにいる」
「あぁ」
「そして、お父さんに大翔の話しが全く通じないわけじゃないって分かった。だから、友人とかもちゃんとお父さんと向き合えば大翔の選んだ人でもいいって言ってくれるはずだよ」
「でも、俺は悠斗がいれば…」
「けれど、僕はひろとはいられない」
「…………」
「この話しはここまで。せっかく、お父さんが時間をくれたんだ。最初で最後の時間を楽しもう」
「あぁ」
そして、俺達は10年間の出来事を延々と話し合った。
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