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「あなたは誰なのっ! どこから来たの! 今の光は何なのよーーっ!」
すると、少年はきょとんとしてから落ち着き払って私の質問に答える。
「俺は満月。ここから見える、あの月からやってきたんだ」
そう言って、満月と名乗った少年は上空に浮かぶ丸い月を真っ直ぐ指差した。
ああ。自分の名前が満月だからバカ呼ばわりするなと……って違う!
少年の第一声に納得している自分へツッコミを入れて、私は思わず眉をひそめる。
月から来たなんて、正直言ってそう簡単に信じられるものではない。
私が黙っているのをいいことに、満月は更に続ける。
「文明があるのは地球だけじゃないんだ。他の惑星にも文明があって、人や動物達が暮らしている。それは月だって例外じゃない」
「なるほどね」
声が出るようになったものの、どこか震えているのは仕方ないと思う。
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