1.月の少年

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「笑ってごめん。君の名前は?」  目尻に溜まった涙を拭いながら満月が尋ねる。  私は笑われたことを根に持ちつつ、口を尖らせて言う。 「……明星。明るい星って書いて、あかりって読むの」 「そっか、いい名前だね」  満月の言葉に私は目を丸くした。  その様子に満月は少し慌てる。 「えっ、何か変なこと言った?」 「ううん、違うの。そういう風に言われるの初めてだから」  褒められて、何故か心が落ち着かない。  もう、私の中で満月に対する恐怖心はなくなっていた。
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