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「笑ってごめん。君の名前は?」
目尻に溜まった涙を拭いながら満月が尋ねる。
私は笑われたことを根に持ちつつ、口を尖らせて言う。
「……明星。明るい星って書いて、あかりって読むの」
「そっか、いい名前だね」
満月の言葉に私は目を丸くした。
その様子に満月は少し慌てる。
「えっ、何か変なこと言った?」
「ううん、違うの。そういう風に言われるの初めてだから」
褒められて、何故か心が落ち着かない。
もう、私の中で満月に対する恐怖心はなくなっていた。
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