一匹の子犬(?)

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父さんについて知っているのは、小さい頃の父は読書家であったこと。 体を動かすことも好きで、誰かが困ってると直ぐに助ける正義感の強い人だったこと。 そういった父さんのお陰か、町の人達は僕にとても優しく親切だった。 でも父サンには少し不思議な所があったそうだ。 学校を卒業して、ほどなくして、突如姿を消した。 かと思えば、突然帰ってきて、そしていつしか、また姿を消したという。 そしてそんなことが何回か続き、突然幼い僕を抱え戻ってきたのである。 そして父さんは、謎の病気を患い、幼い僕を残して亡くなってしまった。 だから僕は父さんのことも、あまりよく覚えていない。母さんにいたっては、全くである。
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