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なんとか自然な感じにイケメンホストから視線を逸らして、またバーテンくんと話す。
まったく、何なんだあの色気は、なんて頭の中で考えつつ無駄な世間話をしていく。
「っと、何か御用ですか?」
話していたバーテンくんが顔を上げて言う。
その視線が僕の後ろにあるから、誰か他のお客さんが来たんだろう。
なんて思ってたら、隣のスツールが軋む音と、さっきよりもハッキリと分かる香水っぽい匂い。
「一緒に話さないか?」
「座ってから言うのはルール違反ですよ?」
と、バーテンくんが言うのを聞きながら、そこでイケメンホストが僕に言っているんだと気付いた。
「それに、このお客さんはノーマルの方なので。お誘いとかはなしです」
「バーテンが口出しするなよ。なぁ、アンタはどうなんだよ」
強引な物言いにどうしたら良いのか分からなくなる。
でも、ただ一つ分かることがあったから、それを言っておくことにした。
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