第一話 そして伝説へ

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一応補足しておくならば俺はしがないボロアパートの一室に一人暮らしをしているのであって、このちっこいのと一緒に暮らしたりしているわけではない。 ていうかファーストコンタクトである。 つまるところ、このちっこいのがどうしてここにいるのか、またどうしてこんなことをしているのかに関しては全くの不明であり、その行動の意味も不明だ。 まあ、その、なんだ。少しだけ整理しよう。 少し前の俺の行動を遡ってみる、と言っても大したことはしていない。ただ寝ていただけである。 深夜だし当たり前と言えば当たり前。誰でもしていること。もちろん子供も寝てる。当たり前。当然。常識。 それで、ちょっともよおしたがためにのっそりと起き上がりトイレへ向かうわけだが、そこはボロアパート、トイレは共用だから外にあったりする。 アパートの庭、隅の所にぽつりと、ひっそりと存在する小屋。そこがトイレになっているわけで、つまり俺が今いるのは外であるわけなんだが。 もう一度確認しておくけれど、今は子供が起きているような時間ではない。さっきも言ったが深夜である。 深夜なのである。 丑三つ時なのである。 丑三つ時に、目の前に不可解な行動をする、ちっこいの。 かばかば言ってる、ちっこい……少女。
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