休み時間

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N県にある私立粛原学園。 この学園の高等部の教師が、僅かな期間に四人も死傷したというニュースが連日ワイドショーを賑わせた。 同じ高校の教師が短期間に四人も被害に遭うという事件はマスコミの恰好の餌食となった。 しかも犯人は同一犯ではなく、それぞれに恨みを持つ全く面識のない三人の男女。 その内の一人の容疑者は未だに逃亡中だ。 美術教師は容疑者の元女子生徒の在学中に執拗に体を触るなど、いわゆる『スクールセクハラ』をしていたらしい。 英語教師は容疑者の元男子生徒にしつこくメールなどを送って私的に会おうとしていたことが分かった。 保健教師は現在逃亡中の女子生徒をエステに連れて行き、高額な美顔器を購入するように勧誘していた。 ここぞとばかりにマスコミは高校の正門前に集まった。 「事件についてお話しを聞かせてもらえませんか!?」 「他の生徒達の心のケアなどは!?」 「一体どんな先生達だったのかな!?」 わずか二人がかりで必死に追い返そうとする警備員。 迷惑そうにマイクを払いのける他の教師達に詰めよる記者やカメラ。 マスコミは、付属の大学や中等部に入学したばかりの生徒達や幼稚園の保護者達にまで容赦なく質問を浴びせかけた。 この事件は、学園全体が半月以上の休校という措置を取る事態にまで発展した。
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