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担任は慌てて教室を後にする。
「HR、長引いてたね。」
国語教師は不思議そうにそう言ったが、何人かが軽く頷いただけだった。
学級委員が号令をかける。
「さっき落ち込むことがあって少し遅れちゃったの。」
生徒達が着席するや否や、国語教師がおもむろに話し始めた。
「校内の木の下で小鳥が怪我をして震えてて。
手当てをするためにハンカチに包んで職員室に連れていったの。
そうしたら一人の先生が私に『どんな鳥なの?』って聞いてきて。
手を開いた瞬間に、驚いた小鳥が逃げようとして……ガラスにぶつかって死んじゃったの…。」
国語教師は寂しげな表情を浮かべている。
私は頬杖を付きながら窓の外を見つめていた。
ガラス窓の外に広がる空に一羽の鳥が大きく羽ばたいていた。
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