一限目

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―――息苦しくなる時間が増えた。 動機が治まらず目眩(めまい)が止まらない。三学期は保健室に行って休む回数が以前より多くなった。 家でもろくに画面を見ていないTV番組を付けたまま。 電池を切られたロボットのように体が動かないまま朝を向かえることもあった。 枕元にはタオルを数枚常備し、過呼吸になる度に顔全体を覆い、荒い息が治まるのを待った。 秒針の音だけが響く空間が私を毎回不安にさせる。 ドラッグストアで買った睡眠導入剤も効かなくなってきた。 静まり返った暗闇の中で、身動きを取らずにじっとしていると余計にあの日のことを鮮明に思い出してしまう。 どうすればいいのか本当に分からなかった。  只々どうすれば分からない、17歳の子供だったのだ。
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