一限目

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あのことがあってからスカートが穿けなくなった。制服のスカートの下には常にジャージを穿くようにした。 駅のホームなどで中年の男性が後ろにいるだけでも怖かった。服の()れる音、咳払い。常に身構えてしまう。 誰かに相談したかった。 ブログには書いているが所詮は非公開。 実名を出しているわけではないが、公開することで不特定多数の男性達に読まれてしまうことを考えると、それは到底できなかった。 ―――「それ、なに?」 ある時、音楽教師が私の手の甲の傷に気付いた。
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