自殺

2/6
前へ
/39ページ
次へ
ゴオー! 凄まじい勢いで二階建ての家が燃えていた。 その家を囲むように野次馬が群がっている。 そこに黒いスーツを着た男がたまたま通りかかった。 その男は野次馬の中に加わる。 「すごい勢いですね~、中にまだ人はいるんですか?」 男は隣に立っていた中年の女に声をかけた。 「い~え、ここの主人はまだ会社で奥さんと子供はもう逃げ出したみたいよ~」 まるっきりオバサン口調で答える。 「はぁ、そうなんですか、命が助かっただけでも良かったですね」 「ほんとよね~」 そして男は何気なく二階の窓を見た。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

637人が本棚に入れています
本棚に追加