序章

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 少女の名前はアサギ。日夜主人公への道を迷走する永遠の次回作主人公である。  ゼタとの出会い、過酷だった修行時代、繰り返される出張の日々、それらを全て乗り越えたアサギは最強の人間と名乗っても許されるほどの人間となり、今も自分のゲームを探している。  だがそんな彼女にもか弱い時はあった。ごく普通の女子高生アイドルで、何気ないものごとに笑い、泣き、怒り…。魔界も、悪魔も、自分のことすらも全く知らなかった時が。何もかもが平和で、何もかもが安穏としていた時が。  何も知らずにいれば、今のアサギは存在せず、安らかに生きているアサギが存在していたのかもしれない。  だが、アサギは自ら知りたいと望み、知り、決意したのだ。  魔界に行くと。  主人公になると。  朝霧アサギの過去が今、明かされていく。
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