Prologue 2:嵐の前

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「とはいえレベルがなあ……完全に趣味の非公認サークルもあるらしいから、俺らがやるならそっちになるかな」 「非公認?」  その言葉に興味を示したのは美奈だった。 「大学から公式に認められてその活動に学校側から支援金が出されるのが公認サークル、存在は認められるが支援がないのが非公認、らしいよ」  ゲーム研究会はもちろん非公認である。 「へえ、サークルにそういうランク付けがあったんだ。支援ってどのくらいかな?」 「場所によるんじゃないのか」と欽二。 「遠征のための交通費が賄えるかどうかってくらいだろ。学生は学業が本分なんだし、学費払ってるのにそこまで還元されるとは思えないし」  まさに幸助の推理通りである。ちなみに音楽関係だとコンクール、運動関係だと国体などで好成績を収めると報奨金が払われるのだが、そのことは当事者しか知らない。 「非公認のサークル、か……」  すると幸助はおもむろに顎に手を当てた。 「何か引っかかるのか」と相棒。 「いや、別に存在を認められたサークルの中から選ぶ必要もないんじゃないかって。極端な話、どっかのサークルに所属している必要もないんじゃないか?」 「あ……」 「……む」  二人の反応はそんな薄いものだったが、確実な意思表示だった。 「なんなら、新しいサークルを作ってもいい訳だ。もっとも、サークルである必要性もないけど」 「それで、何するの?」
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