かはたれ

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今日も綺麗な夜がきた 僕はベッドに仰向けで 薄明かりから涙を隠して 朝がくるまで起きている 誰かのせいにしたくて けど出来ずに嘆いてる 伸ばした手は弱々しくて なにも掴まないで倒れた 今 指の先まで凍る前に あの暗闇に届いたら 僕は夜を怖れずに 眠ることができるかな 今日も綺麗な夜がきた 僕はベッドに座り込み 繋いだ世界に背をむけて 朝がくるのを拒んでいる 柔らかな空気を吸い込んで そのまま消えてしまいたい 疲れた目は天井を捉えて なにも映さずに閉ざされた 今 全ての動きが凍る前に あの暗闇に触れたなら 僕は胸を痛まさずに 深い夢を見れるかな 僕が消えるその前に あの暗闇を伝えたなら 誰かは笑えずに 黙ってしまうのかな 今 心の芯が凍る前に あの暗闇に泣いたなら 僕は光に騙されず 夜を抜け出せるのかな .
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