第一章

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なのに、なんやアレは… 前髪をかきわけて、見えたすばるの顔立ちは男の俺でも見惚れてまうぐらい端麗な容姿やった。両手で掴む頬が少し暖かくなって無表情だと言われていたすばるの目付きは突然鋭くなり、細い指が俺の手を強く叩いたのはその直後だった。 その雰囲気からは誰も想像出来ないような綺麗な顔に、俺はろくに言葉を発することもできず、情けなく口をあけたままでいた。 「……ようがないなら。俺に近付かんといてくれ」 「…………」 「おい、邪魔や言うてん。」 「…………」 「錦戸」 「っ!は!?」 名前を呼ばれてはっとする。あかん俺………顔熱くなってるん自分でもわかる… こいつに、こんな奴に、一目惚れしてしもた。 ×
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