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「スイマセン、ちょっと遅れました。」
本当にそう思っているのか疑わしい言い方で、補習場所である闘技場に入ってきた海津。
「あっ!やっと来ましたね?海津君。先生を待たせるなんて、一体何をやってたんですか?」
そんな海津に反応して、先に着いて待っていた女性が振り返りながら聞いてくる。
「あ~…まぁ色々ありまして、ちょっと来るのがギリギリに…。」
「ギリギリアウトになったんですか?」
「えぇ!?アウトなんですか?!」
「当たり前です!開始時間を20分も過ぎてるのに、歩いて来るような海津君はギリギリアウトです!」
「そこを何とかギリギリセーフにして下さい!"大人"で美人教師のセーラ先生!!」
わざとらしく"大人"の部分を強調して言う海津。
「今なんて?」
それに対して反応を示すセーラ。
既に若干顔がニヤケているが、気にしない。
「"大人"で美人なって言いました。」
「…しょ、しょうがないですねぇ~。今回だけ!今回だけですよ?"大人"である私が、今回だけ特別にセーフにしてあげます。」
嬉しそうにしながら言うセーラ。
セーラはいつも自身の行動などから生徒たちに「子供っぽい。」と言われ、気にしているのだ。
なので「大人。」と言われると、分かっていても甘くなってしまうのが、このセーラ・アルスターなのである。
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