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「ほら、起きなさい海津(カイツ)!もう朝よ?」
既に昇りきった太陽の光りを浴びせるようにカーテンを開けると、女性は言う。
「…今日は休みだろ?寝かせてくれ…。」
海津は光りから逃げるように布団を頭から被る。
「何言ってるのよ!アンタ今何時だか分かって言ってるの?!」
「…10時位か…?」
「…14時よ…。」
「…ぐぅ…ぐぅ…。」
「だ・か・ら!起きろってんでしょうがぁッ!!」
マイペースに二度寝に入った海津を、姉の恋(レン)はちゃぶ台返しの要領でベッドから落として起こす。
「痛ぅ~…何だよ?今日は休みなんだから、別に14時だろうが寝てても良いだろ!?」
無理矢理起こされた海津は、不機嫌を全面に出して反論する。
「普段ならまぁ、あまり良くは無いけど、寝てても問題ないわ。普段ならね?」
それに対して、含むような言い方で応える恋。
「何だよ?なんかあるならハッキリ言ってくれよ恋姉。」
「アンタ、今日は学園に顔出さないといけないんじゃなかったかしら?」
「…あっ。」
恋の発言から数十秒。
海津は何かを思い出したように声を出すと、顔を真っ青にして慌てだした。
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