3.機微

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  「ヒデオ、元気?」  青柳は鋭い視線をあたしに向けた。  青柳の視線は、いつもあたしに一瞬の緊張を与える。  ヒデオの強い瞳とはまた違うからなのかも。 「相変わらずよ。連絡取ってないの?」 「あー」  青柳はクッ、と笑いを噛み殺す。  その仕種が不可解で、あたしはマドカを見た。 「ダイスケ、何?」  マドカが青柳につられて笑う。  この連携で、二人の仲の良さがうかがえた。  青柳は紫煙をくゆらせながらマドカの顔を見ると、「いや……」とかぶりを振る。  そして、さっきのより少し柔らかくなった瞳で、もう一度あたしを見た。 「翠川にばっか構ってんだろ。メールの返事もしやがらねえから、この間痺れ切らして電話したら『悪い、マナミといた』って」 「へ?」 「そうそ。たまにはオトコ同士で飲みとかやりたいんだけどね」 .
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