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ニヤつくジンの視線を回避して、あたしはパチパチ、とまばたきをする。
そりゃ、毎日会ってるけどさ。
「……毎日なんだろ? お気の毒に」
また含み笑いをしながら、青柳があたしを見る。
「何? 何なの?」
「いや、ヒデオが絶倫って話」
「だ、ダイスケ!」
マドカが何言ってんの、と青柳の手を叩く。
ニヤリと笑った青柳の顔に、中学時代のヤツの面影を見つけ、何となくホッとした。
「オトコ同士って、そんなことまで話すもんなの?」
下ネタ平気なあたしは、特に動揺することなく首を傾げる。
すると、ジンが笑いながら「いやいや」とかぶりを振った。
「そんなことがあったって話」
「ふうん……?」
「ま、昔の話だけどな」
話を続けそうなジンを窘めると、青柳はあたしから視線を外し、しれっとした顔でまた煙草をくわえる。
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