第一章「ヒトラー石川帝国」

6/6
前へ
/17ページ
次へ
秘めている思いは国境もなく同じである。 こんなにおめでたい石川の昇進はない。 石川にとってもチェッカー達にとっても意味は違うがおめでたいことに違いはない。 石川本人は自分の指導が間違ってはいない。逆に好かれていた・・と幸せな勘違いをして再び強い女となりサイオス東中野店を満面の笑顔で巣立って行った。 その後、新しく新チーフは入社4年目である28歳の桃山和子である。 至って普通なチーフである。 逆に石川の後だけに異常に優しく感じた。 その後も新たなチーフは新中野に訪れるが、今も石川を越すようなヒトラー女は今後も現れることはないだろう。 各店舗のチーフを指導するバイヤーに昇格した石川律子は本社勤務を拠点として各店舗を巡回している。 パートではなくチェッカーチーフに的を変えて今も先輩後輩関係なく遠慮もなくムチを鳴らし、パンプスをカツカツと鳴らし石川は新たな帝国を作り出す。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加