第二章 O型渡邊の自爆退社

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あのヒトラー石川が消えてイマイチ気の弱い石川とは逆なタイプである新チーフ大田が渡邊に頼り渡邊を喜ばせる言葉を何気なく掛けてしまう行動が渡邊を悪化させてしまった。休憩室の渡邊は 「新しく入ってきたチーフねぇ・・まだ22歳でしょう? 少し世間知らずな部分があるのよねぇ? そんな感じだから私を頼ってくるのよねぇ?もうパート終わっても職場のことが最近では気になって最近疲れも1日じゃとれないわ。どっちがチーフか分からないじゃない?」 とパート達を前に集めてタバコを吹かしながら豪語し高笑いをする渡邊。 「これじゃ時給を上げてもらわないと割りに合わないわよ?」 以前にも店長に時給のことで「上げろ」と噛みついた渡邊は20円ではあるがアップしてもらっている。 この上 まだ上げてもらうつもりでいる。「でも・・さすがにもう無理じゃない?」パート仲間であるデリカの山村が言った。 その一言が渡邊の無駄な向上心とプライドに薄謝をかけてしまった。 「冗談じゃないわよ。 時給上げないなら私は店を辞めてもいいわ。それだけの仕事をこなしているのに今の時給じゃ納得はできないわ。 ここだけの話だけど、 パン屋だけど友達から声が掛かっているの そこの条件が良ければ働こうか迷っているの」高飛車に笑いながらも顔は引きつっていた 翌日、渡邊は店長に案の定、 時給を上げてもらうように詰め寄った。 渡邊自身も以前に店長に詰め寄った時の弱気にハイハイと頷くしかできない店長の態度が頭に残っていたこともあり余裕で一つ返事で時給アップを認めるとたかをくくっていた。しかし、今回は渡邊の予想を覆す対応。 店長自身も売上のことなどで少々機嫌があまり宜しくない状況だったこともあり、 今回は渡邊のワガママに付き合っていられる余裕もなく素っ気無い対応を返された。 「渡邊さんの時給は他の人より多いのにこれ以上は そんなにすぐ上がらないよ」 言葉を告げると渡邊の前から席を離れて売り場にそそくさと戻っていた。
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