“日陰の蜃気楼” 七七七 幽月

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~~~~~ 「……あのぅ、後もうひとつ 聞いても 良いですか…?」 (もうひとつ…) 口には出さずに そう脳内で呟きつつも 元の席に座り、紅さんを見て 「…………。」  私は頷いた頷いてないか よく解らない境目で、 頭をかくりと 動かす。 どうやら…紅さんは改めて私に聞きたい事があるらしい。 一体、なんなのだろうか 「 信じて、くれますか?」 「…?」 唐突に、そう私に訊く紅さん 峻厳な瞳に 真剣な表情だ。 信じる…  何を? 無表情のまま首を傾げる私 ぎこちなく折れ曲がる、私の首 不気味だ。 そんな私を見て、あからさまに がっくり と肩を落として 目を伏せる紅さん。 「やっぱり そんな簡単には 幻想郷の事、信じて貰えないかもしれないですけど―― でも美鈴はっ…いやわたしは!本当にそこから来たんです!」 「……?」 話しが、見えない。 突然紅さんは何を…  いや待てよ ――そういえば先刻、 そんな聞き覚えのない地名やら建物、人物やらの出自を紅さんが語っていたような気がする。 『はいっ☆美鈴はその世界で、吸血鬼の館の門番をしていたのです!』  確かこんな風に こんな塩梅に 言っていた、気がする。 …そんなこと 信じるも信じないも 最初から分かっている 解りきった事実。 ――私にとって それは、飛躍の過ぎた御伽話で 突拍子もない 滑稽な、 空想話みたいで――つまり 紅さんには悪いが 信じれる筈がない 信じられる筈が、無い。 「……」 「信じては… くれない、のですね」  「はい。」 「あぅぅ…そんなはっきりと… そう ですか…」    
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