“瞳孔反射の虹” 紅 美鈴

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《蒼い空に 白い雲。》 ふと 見上げた その雲の向こうの天上に架かっている色鮮やかな虹の橋に わたしは、思わず眼を細めた。 光彩ならぬ虹彩が… あっ意味違いましたっけ? ――まぁなんていうか…うん…我ながら凡庸な表現だなぁ 寝ぼけてるんでしょうか …夜がっつり寝たんだけどなぁ きっと 春の麗らかな気候の所為なんだと自分に言い聞かせよう。 「あ いけないいけない…」 そんな 紅魔館が門番たるわたし 『紅 美鈴』は 手を止めかけていた 花壇の水やりを、再開する。 時刻は―― 早朝。 この時間帯はというと 館の者はみぃんな すやすや~眠ってる頃だ。 吸血鬼である お嬢様も妹様も メイド長である 咲夜さんも 図書館に篭る パチュリー様も 主な活動時間帯が夜だから、 ちょうど今の早朝から~ 午後前くらいかな? それが、館の皆様の睡眠時間にあたるという感じですかね。 実質 こうして早朝に起きているのはわたし一人だけ ――つまり わたしが! 皆様を、迫り来る怨敵からお守りしなくてはいけないのです! 「ひっ…ぁへくしゅっ!!」 ……… 折角決まったと思ったのに… 花びらの花粉が鼻に―― …そりゃあですね 確かに、今も昔も この紅魔館に押し寄せてきた 敵なんか、かつて居ませんよ?多分…紅霧異変の 紅白と白黒くらいかな ざくざくと 花壇の土に生える 雑草をスコップで掘りながら 記憶も掘り起こしてみたけど 浮かんでくるのは、 ・わたしが 普通に門の前で 暇そうに突っ立っているか―― ・椅子に座って 頭を かっくんかっくんさせ ながら居眠りをしている―― 「ぺたぺた…」 わたしは掘り返した花壇の土を ぺしぺし、スコップで叩いて 綺麗にする 記憶?一緒に植えちゃいました~ だって…いやもういいでしょ? なんだか哀しくなってきたので もう…あはは…は さて、と…雑草はもういいや 次は庭木の剪定をしないとです。    
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