あの色

1/2
前へ
/13ページ
次へ

あの色

いつの日でせう。 あの色をうしなつたのは。 はして、何処に落たしてしまつたのでせう。 わからぬ、わからぬ。 場所も、時も、どんなに思ひ出さうとしても、たゞの空虚。 空の玉手箱。 言ひ付け通りに手をつけず、さつと、端に積んでおゐて、さうして置場を忘れさつてしまつたのです。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加