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ベッドの上を十往復くらいしたあたりで、俺はようやく制止して天井見つめた。
今日一日の出来事が鮮明に甦る。
橘樹里……か。
一目見た時から抱いた、今まで感じたことのないこの気持ち。
改めて考えても、一目惚れとしか考えられない。
「はあ………」
俺にしてはありえないくらい積極的に動いたし、結果的に橘と仲良くなることができた。
それは良かった。
でも、その一方で、まだ満たされない自分がいるのも確かだ。
求めれば求めるほど、心はわがままになっていく。
あの笑顔を思い出すだけで、また見たいと願ってしまう。
どうしたもんか……。
「…………ふう」
俺は静かに目を閉じる。
そして、考えているそばから意識は遠のいていき、一日の疲れからいつの間にか深い眠りに落ちていた。
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