球技大会~愛?の一撃~

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 さてさて。  いきなりで申し訳ないけれど、状況説明をしたいと思う。  今、俺の視界は女の子たちの胸やお尻といった夢や希望が無限につまったもので溢れている。  桃源郷とはこのことである。  だかしかし、あらかじめ言っておくけれど、これは決して夢見がちな少年の行き過ぎた妄想とかそういう類いの話ではない。  れっきとした現実の出来事だ。  ただそうは言っても、別に主人公特有のハーレムルートに進んだわけじゃないし、仮にあったところで俺はそんなルートは選択しない。  現在は六月。  雨が降りしきる梅雨の季節であり、外で遊べないと子どもが嘆いたり洗濯物が乾かないと主婦が愚痴る季節。  我が校では、この時期に球技大会が開かれることが通例になっていた。  競技は学年ごとに協議して決めるのがこれまた通例になっていて、今年の二年生の種目はバレーボールに決まった。  そして、俺たちは問答無用で放課後のクラス練習に駆り出されたわけなんだけれど。  まさか女子の体育をこんなにマジマジと堪能できるとは思わなかった。  コートを前後半で分けていて、今は女子の番。男子は休み。  ほとんどの男子が、瞬きすら忘れて女子の体操着姿を体育館の端で見ているため、第三者からしたら警察を呼びたいくらいの変態ぶりだろう。  ちなみに、俺もその一角を担っている。  我に返って自分のしていることの浅ましさに気が付いたら負けなので、常識とかそういうものはあえて無視している。
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