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「ヤンもあなたも…どうしてみんな同じ様なことばっかり言うんだか━━━━信太に頼まれてたのよ。"ファンピール"に関する情報集め。」
キーボードの上の手を一度止め、ソフィアは百合江を見た。
「どうして百合江にそんなこと…情報収集は彼の専門なのに。」
「『うっかり依頼人(クライアント)の中に関係者がいるかも知れない』からだってさ。まあ相手が相手だけに、情報集めも楽じゃないみたいよ?」
あなたと話す口実じゃない━━━━ソフィアはそう思うだけに留めた。
「さて、アタシも仕事に行くか。フロートシティで事件が起きるなら今日の仕事も少しは楽になるかも。」
「油断禁物よ。港湾警察もなかなか神出鬼没だから。」
「大丈夫、アタシ一人じゃないから。」
百合江のブーツの足音はドアに向かい、ソフィアはパソコンの画面を見ながら背中でそれを見送ると携帯電話を手にした。
未だ、バーナードから連絡はない。
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