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思っていたより遅い呼び出しに、ソフィアはすぐさま反応して携帯電話を取った。
「もしもし!?バーナード!?」
(そう慌てなくても聞こえている━━━━フロートシティの電力供給が遮断されないみたいだが、どうなっている。)
「海中ケーブルは遮蔽したわ。発電システムも止めたけど、外部からの操作で復帰したみたい。」
舌打ちが耳を突き、少し間を空けてからバーナードは声を潜めながら言った。
(また電力供給を止められるか?)
「外部からの干渉をさせない為にコードの書き換えなきゃならない。あと3分待って。」
(わかった。そこに女リーダーはいるか?)
ソフィアは否定した。
「いいえ、百合江なら仕事で出てるわ。何か伝言を?」
(そうか…いや、もし手が空いているなら陽動を依頼するつもりだったが致し方ない━━━━)
「待って。こっちから百合江に伝えるわ。陽動って何をすれば?」
(フロートシティの警備部の連中の目を奪う程度でいい。)
「わかった。伝える。他にはない?」
(ああ、恩に着る。)
ブツッ━━━━回線が切れ、ソフィアは携帯電話を置くと指先を急かした。
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