Prologue~序章

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* 電光掲示板や様々なネオンが日の光に晒されて、静かな昼間の繁華街に彩りを添えている。路上には煙草の吸い殻や、中には酔っ払いが撒き散らしたのであろう吐瀉物なんかもある。 「昨日は祝日だったから、いつもより活気があったのさ。」 「あ、俺ここ知ってるぜ?すすきのだろ?ホテルのガイドブックに載ってた。」 同乗していた恭一に軽々しく訊ねたゲイルを、バーナードは咎めた。 「ゲイル、叔父貴に対してその言葉使いは━━━━」 「なあに、良いんだよ。お前等は剛の側近なんだろ。息子みたいなモンだ。」 「そう言って下さると有り難いです。」 「そう堅くなんな。堅えとせっかくの飯も不味くなるだろ。」 「恐れ入ります…これからどこへ案内して下さるのです?」 車が止まり、数名の部下が辺りを警戒しながらドアを開けた。 「言ったろ?飯だよ。お前等に本場の日本食ってのを食わせてやろうと思ってな。朝から酒ってのは何だから酒はねえけどよ。ニューヨークじゃあ日本食はあんま食わねえだろ?」 部下が経営している日本料理店によく行きます…それは言うべきではないな━━━━バーナードは口に含んだ言葉をそのまま飲み込むと、恭一の背中を追ってビルに入っていった。 ビルに入ってすぐ、のれんをくぐると恭一が言った。 「どうだ?いいだろ?俺の舎弟だった奴の店だ。今はカタギになったがな。」
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