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店内は純和風の造りで、カウンターのガラスケースには新鮮そうな魚や肉が並んでいる。店内中央にはちょっとした池などもあり、それを跨ぐ小さな橋まである。
その橋を渡りバーナード達は小上がりの和室に通され、膝を折った。
「まだちぃっと季節早えけど、ここの鍋はうめえんだ。朝飯には重いかも知れねえが、お前さん達にはちょうど良いかもな。バーナードなんか体でかいからけっこう食うだろ。」
「そうでもありませんよ。しかしながら、お気遣いには感謝致します。」
「だからそう堅くなるなっての。新米のポリ公みたいにクソ真面目な奴だな。少しはゲイルを見習ったらどうだ?」
思わぬところで名前が挙がったゲイルは、ニヤニヤとバーナードを見た。
「やっぱ見てくれてる人は見てくれてるんだなぁ。日本刀とマグナムを振り回すだけが円滑な人間関係の基礎じゃないんだぜ?」
「こんな軽い者から何かを学ばなければならないとは、私も堕ちたものです。銃がなければ、女の尻ばかり追いかけるチャラチャラした奴なのですから。」
「俺は尻よりメロンみたいな巨乳がお好みだ。」
「だったら来る所を間違えたな。この店じゃメロンは出てこないだろう。」
バーナードとゲイルのやりとりを笑いながら見ていたが、「失礼します。」という声と共に襖が開くと恭一はそちらに向いた。
「おはようございます。こちらのお二方がお客様ですか?」
「厳密に言えば客ってよりも舎弟みたいなモンだな。俺の兄弟分の側近だ。ちょっと一悶着あってわざわざ日本まで来たんだとさ。でかいのがバーナードで、そっちはゲイルだ。」
「そうでしたか。遠路はるばる、お疲れ様です。」
白い衣服を着た彼は…調理師だろうか。
頭を深々と下げたので、バーナードはつられた。
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