Prologue~序章

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「とんでもない。鍋料理、楽しみです。」 「有難うございます━━━━早速ですが、鍋料理の前にお渡しするものが御座います。」 バーナードにはその言葉が指し示すものがわからなかったが、しかしそんなのもお構いなしに調理師らしい彼は和服の従業員に何かを運ばせたのだった。 「実はニューヨークで古塚派が動き出しまして…お二人の銃の輸送手続きが遅れたので、こちらで代わりのものをご用意させて頂きました。」 「古塚派だと!?」 動揺したバーナードを、恭一が制した。 「なんともねえ。剛は無事だ。それに古塚派はみんな片付いたとさ。」 「そうですか…代わりと言いましても既に昨晩これ(レイジングブル)を拝借いたしましたが。」 「知ってんよ。でも、なるべくなら手に馴染むやつがいいだろ?」 ガチャッ━━━━調理師は運ばれてきた長方形のケースを開いて、中身を2人に見せた。 「これ…俺達の銃じゃないのか!?」 ゲイルが言うのも無理はない。ケースに収まる2丁の銃はどちらも見た記憶がある。 重厚で直線的なフォルムのデザートイーグル.50AEと、それによく似た、しかし一回り小さいのはジェリコ945…それぞれ2人が愛用している銃そのものだった。 バーナードは訊いた。「これは?」 「お前等が向こうで使ってるのと同型を用意したのさ。さすがにお前の"アトラス"ってのは無理だったがな。でも、リボルバーにこいつってのがいつもの組み合わせなんだろ?」 「お気遣い、感謝致します。これで実力を発揮出来ます。」 「それは良い事だ。お前等なら良い働きをしてくれそうだからな。」 …ゲイルが首を傾げる。 「『働き』?」 「そうさ。仕事だ。わかるだろ?」
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