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急に怒気を剥き出しにした声でディーラーは慌ててカカードを配り、黄色いヤッケから出てきた太い指がそれを手にした。
「悪クナイナ…ベット。」
すると、やっとのことで幹部の1人が口を開く。
「どうやってここに入った!?外には━━━━」
「ソウダナ、外ニハ、オ前等ノ兵隊ガイタナ…今ハイナイガ。」
よく見るとあちらこちらに血痕が残るヤッケは不気味で、一同がそれに息をのんだのに気付いたからか"ファンピール"は笑った。
「兵隊ナンカ、簡単ニ揃ウ…ソレトモ、ココニイル奴ハ、兵隊すら雇エナイ貧乏人バカリカ?」
「ここに来て話をするだけなら、そんな真似する必要はないだろ。」
「兵隊ガ少シ、減ッタクライデガタガタ言ウナ━━━━ホラ、ポーカー、ヤラナイノカ?」
侵入者の分際で何を━━━━誰もが思ったが、奴を怒らせるのは得策ではないと一同が知っていた。
「…コール。」
「俺も、コールだ。」
ゲームが再開されて嬉しいのか、"ファンピール"はまた笑って言った。
「ソウコナイトナ。ゲームハヒトリジャ、ツマラナイ。」
「じゃあなにか?朝の一件もただのゲームか?」
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