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ガチャッ━━━━
走行中のリンカーンから跳び出ると、バーナードは履いていた靴の底を一気にすり減らしながら着地し、もう1つの大型拳銃(デザートイーグルr.50AE)も抜いて駆け出した。
セダンに乗っていた味方は既に展開して応戦している。
「お前等は時間稼ぎに徹しろ!タイミングを間違えればN.Y.P.D.(ニューヨーク市警)に引っ張られるぞ!」
こちらを一瞥した部下達…言った事をしっかり聞き取ったと見える。
バーナードは"アトラス"の引き金をひいて弾倉を空にした。
デザートイーグルで牽制してから"アトラス"の本体から弾倉をはじき出し、膨張した空薬莢を押し出して6発の.44マグナム弾を収める━━━━もはや手慣れたものだ。
デザートイーグルの弾倉に残る弾もしっかり数えている。
標的は10人もいない。見たところ、腕前も粗末なものだ。
ドンドンッ━━━━放たれたデザートイーグルの弾はあっさりと車ドアをぶち破り、その陰にいた2人に致命傷を与えた。
「野郎!デカブツを狙え!」
途端に火線はバーナードのいる辺りに集中したが、さして問題ではない。
デザートイーグルから空の箱型弾倉を落として新しいものを入れ、デザートイーグルと"アトラス"を交互に標的達へと重ねる。
「バーナード!上だ!」
その場から跳ぶと、直後に頭上から散弾が降り注いで舗装された道に食い込んだ。
そいつにデザートイーグルのマグナム弾を叩き込み、声がした方には"アトラス"を向けた。
「銃を向ける前に気付いて欲しいんだけどなあ、そこんとこ。」
イスラエル製の拳銃、ジェリコ945を手に姿を現したゲイル・フォクセットは頬を歪めて答えたのだった。
「あれで最後だ。ズラかろうぜ?」
「待て。まだ情報収集が残ってる。」
「それなら問題ないさ。いいからさっさとあれに乗りな。」
彼が指示したのは、路肩にエンジンがかかったままの4WD(ジープ・チェロキー)だ。
それに乗ると、バーナードは一番後ろに載せられているモノに気付く。
「あれは何だ?」
「今日の収穫だよ。銃撃の指揮を執ってた奴。」
手足を縛られ、口にはガムテープが貼られた彼は2人を見てもがいたが、それも無駄なあがきだった。
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