Prologue~序章

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* 「頼む!もも、もうげ、限界だ!ひひ、引き上げ、てくれ!」 ハドソン川の岸壁にロープ1本で繋がれたそいつは顎をガタガタ震わせ、かろうじで頭を水面の上に保ちながら言ったのだった。 もう夜の闇に包まれたハドソン川の、しかもこの冬の冷たい川の水に浸けられているのだ。無理もない。 しかも奴は両手を縛られている。足だけで水を掻き、頭を水から出していられるのは大したものだ。 「何だって?聞こえないなあ。」 …捕まえた男を裸にして冷水に浸し、見下して楽しんでいるのはゲイルだ。 「しし、死んじまう!さ、さむ、寒い!」 「まだ1分も経ってないぜ?男のくせに情けないなあ。」 「このく、クソ野郎!さむ、寒いんだよ!」 「仕方ないなあ。じゃあちょっと早いけどサービスしてやるよ。」 ゲイルの手が自らの股間に伸びてズボンのファスナーを開くと、彼は体を震わせた。 ━━━━すぐに尿が、湾曲した線を描きながら川に浮く男の頭に注がれていく。 「ほら、温かいだろ?」 尿を頭からかぶっている本人は言葉を返す余裕もなく、バーナードは溜め息を吐いて訊いた。 「こんなやり方でいいのか?消耗し過ぎたら話を聞き出すどころじゃないぞ?」 「何も銃で手足をブチ抜くだけが尋問じゃないんだ。下手に薬使ったり怪我させるよりよっぽど安全で、じわじわ苦しめるには最適な方法だぜ?」 「殺さなければ構わんがな━━━━おい、楽になりたきゃ全部吐きな。ボスを殺す依頼をしたのは誰だ?」 ゲイルが全てを出し切ってズボンのファスナーを閉めると、急に男は勢いを取り戻した。
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