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気配を察知したのは魔物の本能故か、自分達を見下ろしていた二人に最初に振り向いたトカゲの化け物の首が、音もなく刎ね飛ぶ。
仲間の死を見て、全員がそちらに振り向くと、その視線の先にはジュリアンがいた。
その手にはすでに彼女の聖痕によって現れた、十拳の剣〝伊邪那美ノ命〟が握られている。
「あなたを、逃がさない。」
宣言するジュリアンに、言葉を介さない魔物達が殺到した。
だが、殺到した先にジュリアンはいない。
それどころか、殺到した全ての魔物達は、漏れなく首を刎ねられた。
視覚出来ないスピード、感覚を総動員しようともそれは避けられない。
気がつけば、ジュリアンは噴き出す魔物の血にまみれる事もなく立ち尽くしていた。
着衣の乱れもなく、髪すら平然を保ったままだ。
「さぁ……本番行くわよん?」
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