0人が本棚に入れています
本棚に追加
???「おーい、ゼノー」
ゼノがいつものように畑を耕していると町に住むリグに呼ばれた。
ゼノ「はーい!なんですかぁー?」
リグ「いやいや、いつもの事ながら悪いんだがウチのテレビの奴の機嫌がまた悪くなってよ・・・」
ゼノ「また壊れたんですか・・・?」
リグ「ん・・・むぅ・・・まぁ、そうだ・・・」
リグは少し照れくさそうに言葉を濁しながら答えた。
ゼノ「分かりました。また電気を流して調整してみますよ。」
リグ「おお!!本当か!いやぁ、いつも悪いな!ハッハッハッ!」
リグはゼノの了承を得ると途端に元気に笑いながら答えた。
ゼノの電気を流して調整するというのは、一部の人間が扱う事のできる
【精霊術】
を使って内部からテレビを修理するという事だ
精霊術とは7000年前に普及していた魔術に代わり、様々な属性を扱う事のできる代物だが
魔術は学習(魔学)により空気中にある魔力の元であるマナの扱い方を覚え、マナを集め様々な自然の力(火や水など)を扱う事ができる
それに対し精霊術は
生まれながらの素質が無ければ、習得する事は愚か、発動させる方法すら理解できない。
更に自然界に存在する物を全て使う事のできる魔術に対し、精霊術は一人につき一つの属性しか扱う事ができない。
この二つを見比べる限り、魔術の方が便利なのは明らかだが、現代では魔術を使える者は誰もいない事になっている。
それも今の世界には魔術の元となるマナが存在しないのである。
過去に魔王と呼ばれた男【アディッシュ・フォド】がマナを全て吸い取ったからだ
そしてマナが消えた世界は混乱を呼び、魔王の世界崩壊を狙う破壊活動により6500年もの間、魔王に怯える世界だったが
500年前に現代で英雄と呼ばれる少年ゼロにより魔王は倒されたが、マナは戻って来なかった。
しかし実際は魔王が本当に倒されたのかは不明であった。
それも英雄ゼロが魔王の住む世界から帰還した記録が無いからだ。
最初のコメントを投稿しよう!