遠恋

2/2
前へ
/660ページ
次へ
耳が痛くなるような静まり返った夜に どうしても君の声が聴きたくて通話ボタンを押す 何回目かの着信音のあとにけだるそうなその声 目を閉じて耳を済ませば 息遣いすら聞こえてきそうで 君がいる場所を想像するの モノトーンの世界に彩りを与えて 目を開けば 君のぬくもりが側にあればいいのに くぐもる声が反響してしまうような夜に どうしても君の音が知りたくてわがままを言う 何回目かのやりとりのあとの嬉しそうなその声 目を閉じて耳を済ませば 感情すら見えてきそうで 君の心の内を読み解くの 隙間だらけの部屋を満たすように 目を開けば 君のことだけ考えていられればいいのに 目を閉じて耳を済ませば 息遣いすら聞こえてきそうで あなたがいる場所を想像するの モノトーンの世界に彩りを与えて 目を開けば 君のぬくもりが側にあればいいのに
/660ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加