第一章「涙」

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彼を最初に見たのは、ちょうど一年前である。 彼は最初に出会ったことを、あまり覚えていないようだったが、私は今でもはっきり覚えている。 それは、大学3年生の春。 就職活動の面接会場だった。 少し早めに到着した私は、面接会場に通された。 まだ誰も到着していなくて、私は、荷物を置き、大きくてとても座り心地のよいイスに座って待っていた。 すると間もなく、他の受験者が2人入ってきて、面接官である男性もあとからすぐ入ってきた。 「えー。本日の受験者は4名なのですが、1名少し遅れるとゆうことなので、先に説明を始めます。」 と面接官が話し始め、面接が始まった。 面接を受けるのは、この会社で2社目。もう一社は、まだ選考中だった。 面接開始10分後。 コンコン。 「失礼します。遅れてすみません。」 と背の高いすらっとした男性が勢いよく入ってきた。 これが私が彼をみた最初の記憶となった。
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