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俺は日本の大学で数学の教授をしている。一応東大を主席で卒業しているが、そんなことはどうだっていい。
この空間は何だ。
学生の概念は真面目に講習を受けることじゃ無いのか?それがどうだ、真面目に聞くどころかノートをとる生徒が数名しかいない。他の生徒は私語や携帯をいじるなどして暇を潰している。
俺は腹が立った。俺が自ら教えてやっていると言うのに、この無様な立ち位置は何だ。虚しく思えて気力を失いかけた。
(こんな世の中、どうかしている)
俺はホワイトボードに黒いマジックで数式を立てていく。俺はため息をつき、数式を書き終えた。
その時、チャイムが鳴り響いた。終令だ。生徒はチャイムを聴くと筆記用具を片付け、次々に部屋を出て行った。
部屋には一人、俺だけがぽつんと立っていた。
こんな俺が情けない、そう思った。どうにかして今の生活を変えたい。
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