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野薔薇のアーチ
それとアンティークの懐中時計
それだけで私はアリスの気分になれる
きっとここを抜けたら帽子屋が私を待っているわ
チェシャ猫も気だるそうにね
ただひとつ理想通りにいかない事があるとしたら
私がホンモノのアリスじゃないってことかしら
でもそれなら尚更
不思議の国にはお似合いな気もしなくはないんだけれど
ポケットに隠した小瓶を口に含んだら
私は小さく小さくなって
大嫌いな貴方にも探せない位
消えてしまったみたいになれるといいわ
こうやって無垢なフリをして少女を続けてきたけれど
もうオシマイみたいね
私は今から最初で最後のアリス
夢に落ちたらもう二度と目覚めないわ
ありがとうさようなら
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