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「えぇ…無いですよ。
強いて言うなら金を喰わせないと切れ味が出ない呪い…ですかね?」
「あはは…、それならもう分かっているんで大丈夫ですよ。現金の一括払いでも良いですか?」
最近は分割だのローンだのを進めてくる人が多いと聞く。
まぁこのマスターなら大丈夫だとは思うけどね…。
「了解しました。
高価な品なためサインを頂いてもよろしいでしょうか?」
「勿論ですよ…
ここにサインで良いんですか?」
危うく昔の名前を書くところだったが、きちんとサインをした。
「ゾーンは使えますか?
使えないのなら配達のサービスも承っておりますが…。」
無属性中級魔法【ゾーン】
無属性は誰でも使える魔法で生活に深く密接している魔法で、転移などが最たる例である。
「使えるんで大丈夫ですよ。
それと、仮面のような顔を隠せる防具はありますか?」
「仮面ですか……、これなどはどうでしょうか?」
これか、全面白色で、異界の者を彷彿するような仮面だな…。
「効果は…?」
「魔力抑制…ですかね?
見たところ莫大な魔力をお持ちのようですし、真の強者に遭遇する時にやや不便でしょう?」
やはりこのマスター…只者ではないか…。魔力を測る、というのは中々に高度な技術である。
さらに自分も可能な限り魔力を抑制しているのに見破られている。
恐らくSランク級の人だろう。
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