第弐章-龍族-

8/15
前へ
/99ページ
次へ
「えぇ…無いですよ。 強いて言うなら金を喰わせないと切れ味が出ない呪い…ですかね?」 「あはは…、それならもう分かっているんで大丈夫ですよ。現金の一括払いでも良いですか?」 最近は分割だのローンだのを進めてくる人が多いと聞く。 まぁこのマスターなら大丈夫だとは思うけどね…。 「了解しました。 高価な品なためサインを頂いてもよろしいでしょうか?」 「勿論ですよ… ここにサインで良いんですか?」 危うく昔の名前を書くところだったが、きちんとサインをした。 「ゾーンは使えますか? 使えないのなら配達のサービスも承っておりますが…。」 無属性中級魔法【ゾーン】 無属性は誰でも使える魔法で生活に深く密接している魔法で、転移などが最たる例である。 「使えるんで大丈夫ですよ。 それと、仮面のような顔を隠せる防具はありますか?」 「仮面ですか……、これなどはどうでしょうか?」 これか、全面白色で、異界の者を彷彿するような仮面だな…。 「効果は…?」 「魔力抑制…ですかね? 見たところ莫大な魔力をお持ちのようですし、真の強者に遭遇する時にやや不便でしょう?」 やはりこのマスター…只者ではないか…。魔力を測る、というのは中々に高度な技術である。 さらに自分も可能な限り魔力を抑制しているのに見破られている。 恐らくSランク級の人だろう。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1676人が本棚に入れています
本棚に追加