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「お持ちしました。こちらが、ご注文の品となります。」
さっきの人とは違って落ち着いた様子の人が出てきた。
恐らくこの人がこの店の支配人なのだろう。内心、食べ切れないように願っているんだろうな…。
これを無料にするのはかなりの赤字だろう。目測だけでも2kgは軽くありそうだ。
このサンドイッチを見て、本当に食べれるのか気になって周りの人までもこっちを見ている。
「美味しそうですね。
では…、頂きます。」
そこからのバアルといえば本当に凄かった。
食べる、食べる、最後には喰らうと言っても良いほどの食べっぷりで、ものの数分で食べ終わってしまった。
『クくク、こレハ凄いナ…。
ベルゼブブにも匹敵スる喰イっぷリだナ…。今度会ワしテヤりたイグらいだナ』
ベルゼブブって…。
確かに良く食べるほうだとは思っているけど暴食の悪魔と比べられるほどではないはずだ…。
しかし、傍から見ればバアルの姿は正にベルゼブブそのもの。食べているもののそのスピードは衰えを知らず、むしろスピードが上がっているようにも見えた。
「なかなか美味しかったですよ。
また今度普通のメニューを食べに来ますね。」
また今度…と聞いた瞬間オーナーの目が涙目になりかけたが、バアルが普通の…、と言った瞬間に目を輝かして声高らかに、またのご来店お待ちしております!と叫んだ。
バアルがああいう早食い系を注文すると一気に赤字に傾くが、普通のメニューをあの量で食べてくれればかなりの黒字である。
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