good-bye..

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―――――― ドタドタドタドタ!! 職員玄関のちょっと古い階段を凄い勢いでかけあがる音が聞こえる。と思った途端ドアが開かれた。 「監督!」 顔を出したのはもちろん、松坂。 「お前な、職員玄関はゆっくり上がれと言っとるだろ!!かなり傷んどるんだよ!」 椅子に座ったまま腕を組んで怒る監督。 「ごめんごめん!許してお願い!」 ゲンコツを恐れて、頭を抱えながら謝る。 「まぁいい‥実はな、分かってると思うが呼んだ理由はこの間受けた選抜試験のことだ。」 それは二週間前に受けた県選抜試験。 「やっぱきた!!結果は!?」 「ほれ!」 監督が差し出したのは神奈川県選抜のユニフォーム‥背番号1番。 つまり、エースである。 「おー!!やったー!!」 両手を上にあげて喜ぶ松坂。 すると監督が鼻の下をこすった。 「まぁこれもヘタクソだったお前を俺が根気よく育てたか‥」 「では!」 ガチャン! 自慢話は聞きたくないのを露骨に態度にだし、ユニフォームを奪って帰ってしまった。 「あははは!‥チッあの野郎め‥」 pururu‥― 松坂家と違い性能の良い最新式の電話が鳴った。 「はい!こちら横浜中学校。‥はい‥えっ!?野球部の松坂‥はい、そうですが‥えぇ、分かりました‥」 監督は電話をゆっくりと切った。 「なんてことだ‥」 ガチャン!! 監督は急いで松坂家へ向かった。
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