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2人の心配もしらずタクシーはゆっくりと進み続ける。
―――
「母さんがバイクに‥?」
松坂は目を見開く。
「あぁ‥4時半ごろにスーパーに向かう途中だったみたいだ。お母さんのカバンに全国大会の時に撮った写真があったらしい。」
「それで学校に連絡がきたのか‥」
松坂はギュッとズボンを掴んだ。
つい父親の時を思い出す。
「あぁ。」
「それで!母さんは無事なのか!?」
心配でどうしようもなく、焦った口調でせかすように言った。
どこか無事と言うのを待っているようにも感じた。
「わからない。しかしすぐに救急車を呼んでくれた人がいたみたいだ。」
「‥」
松坂は下を向いて黙り込んでしまった。
――――
秀輔は6歳の時に、父親が連続殺人鬼の被害にあい、致命傷をおった。
すぐに駆けつけたが間に合わず、秀輔の目の前で父、浩輔は死んでしまった。
最初は涙が止まらず、怒りと憎しみしか沸かなかったが、
救ってくれたのは1人の警察官だった。
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