17 最初の救出

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珠樹の前に二人の男が躍り出た。 「やめろ!」 義人が必死で叫ぶ。二人の男は珠樹の横をすり抜け義人に向かってくる。義人は腰を低くして身構えた。 「冴島さん。大丈夫ですよ、私です」 「こわかったやろ?」 義人と水原は懐中電灯で二人の顔を照らす。 「永井社長! 河原社長! 来てくれたんですか!」 「今日は土曜日やから暇で暇で仕方なくて。社長としてではなく友達として遊びに来た。ほやから社長って呼んだらいかんで」 河原は相変わらずつなぎを着ている。 「見事なできばえでしょ?」 永井社長も得意気だった。 「ってことは、あの串刺しも幽霊も死体も、みんなお二人の仕業ですか?」 「もちろんや。それと私も今日は社長じゃなくて友達だ。名前でよんでくれよ」 河原は顔をくしゃくしゃにして笑った。水原はそれを聞いてしきりに感心している。 「本当にありがとうございます」 義人は深々と頭を下げた。
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