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珠樹の前に二人の男が躍り出た。
「やめろ!」
義人が必死で叫ぶ。二人の男は珠樹の横をすり抜け義人に向かってくる。義人は腰を低くして身構えた。
「冴島さん。大丈夫ですよ、私です」
「こわかったやろ?」
義人と水原は懐中電灯で二人の顔を照らす。
「永井社長! 河原社長! 来てくれたんですか!」
「今日は土曜日やから暇で暇で仕方なくて。社長としてではなく友達として遊びに来た。ほやから社長って呼んだらいかんで」
河原は相変わらずつなぎを着ている。
「見事なできばえでしょ?」
永井社長も得意気だった。
「ってことは、あの串刺しも幽霊も死体も、みんなお二人の仕業ですか?」
「もちろんや。それと私も今日は社長じゃなくて友達だ。名前でよんでくれよ」
河原は顔をくしゃくしゃにして笑った。水原はそれを聞いてしきりに感心している。
「本当にありがとうございます」
義人は深々と頭を下げた。
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