1 密室

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 「たまたま三階から非常階段へ行けたんじゃない?」  「非常階段は部屋からずっと離れていて、部屋にはベランダも出窓もなかった」  「そんなの逃げられないじゃない。今の私たちと同じ」  「でも彼は逃げられた」  その時外では再び大きな木の板が引き剥がされるような音が響く。瑞樹は外の物音に敏感に反応した。とっさに義人にしがみつく瑞樹。  「私、死にたくない」  「大丈夫、瑞樹はぼくが守る」  瑞樹は義人の胸の中に小さな体を埋めると涙を流しながらキスを求めてきた。義人は瑞樹と唇を重ねる。  「瑞樹。安心して。フレッド=レインは助かったんだ。ぼく達だって逃げ出せるに違いない」 .
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