2 探り合い

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 瑞樹はそう言うと鞄から携帯を取り出しボタンを押そうとする。  「瑞樹!」  義人は突然瑞樹の携帯を取り上げた。  「何するの」  瑞樹は細く白い腕を義人の前に伸ばし携帯を奪い返そうとする。  「警察へ電話しようとしただろ」  「シト。返してよ」  義人は携帯を握ったまま瑞樹から遠ざける。  「だめだ。返さない」  義人はそう言うと、自分のビジネススーツケースの中に携帯を放り込む。そしてぱちんと閉じると四桁のナンバーロックを掛けた。  「何するのよ! 酷いじゃない」  「警察に電話するのはまずいんだ」  二人の間に険悪な雰囲気が漂う。 .
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